漫画版「大正野球娘。」4巻感想
冬コミのサークル参加料を振り込んで来ました。オンライン申込みなので登録締切は23日ですが、冬は何事も早め早めの進行を心がけていきたいと思います。
- 作者: 神楽坂淳,伊藤伸平
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2010/08/12
- メディア: コミック
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中でも23話「風たちぬ」での静と雪の会話がとても良い。一番野球が好きでいながら一番他人に隙を見せなかった雪が、一番野球への参加の意志が希薄だった静に、ふともらす本心。それまで接点の薄かった二人ですが、静だからこそあそこで雪の素直な言葉を引っ張り出せたんだと思います。お嬢や乃枝・たまちゃんなんかは明白な動機が先にあるし、小梅はそもそも野球をすることの意味にそれほど自覚的ではない。巴・鏡子・胡蝶に至っては下心から始まっている始末。そんな中で「どうして自分は野球なんてしてるんだろう?」という疑念を一番自覚的に、かつマジメに考え込まざるを得なかったのが静なんですよね。そんな静相手にだからこそ、雪も素直な言葉が出せた、と。アニメでも静のこういうシーン見たかったなぁ。
さて、4巻最大のサプライズといえば尾張記子*2と塚原須磨子*3の新聞部コンビの登場なわけですが、(原作1&2巻をベースにした漫画版では)本来共演しようのないこの二人がそろって登場し、同じコマに納まっているの姿を目にすると、なんともいえぬ感動を覚えます。良くも悪くも「なんでもあり」といわれた漫画版ですが、ここに来て良い意味で「いいとこどり」ができてきたのではないかなと。
ひょっとしたら、「漫画版は桜花会の勝利で物語が終わるんではないか?」そんな予感さえ感じられます。原作でもアニメでも朝香中に惜敗桜花会。せめて漫画版でくらい「ありえたかも知れない勝利」を見てみたいと思うのは、欲張りな意見なんでしょうか。