新文芸坐オールナイト「ヨーロッパ映画秀作選 境界を越える少女たち」

 ぴあで買ったチケットを片手に、仕事帰りのその足で電車に飛び乗り、東京は池袋の新文芸坐までオールナイトを観に行ってきました。今回は珍しく非アニメ作品、洋画のオールナイトです。東京へ向かう列車上、携帯でことの次第をツイートしていたら、知人のK-nightさんから返信が。なんと池袋の近くにお住まいだそうで、そのまま上映終了後の早朝に突発タイマンオフの開催が決定(笑) ツイッターというものの奥深さを思い知らされました。 今回、僕が観てきたのは「ヨーロッパ映画秀作選 境界を越える少女たち」と題された企画で、四本の欧州映画が上映されました。

 どれもマイナーメジャーな作品といったところでしょうか。僕のお目当てはエリセ監督の二作品でした*1が、残りの二作品も違った意味で強い興味を惹かれた作品でしたね。でもやっぱり「ミツバチのささやき」が一番良かった!*2 上映終了後、早朝の池袋の街頭でK-nightさんと合流。近くのカフェに入り、モーニングセットをとりながら、しばしの歓談。主な話題は情報ツールとしてのツイッターについて。二時間ほどダベって別れました。それから電車に揺られること数時間、さらに自転車で数十分の行程を経て、麗しの我が家へ。シャワーを浴び、さっぱりしたところでベッドへゴー。そして、今、この日記を書いています。まもなく、出勤の時間なのですよね。

(追記) はい、帰ってきました。エリセ監督作品については後で書くとして、他の二作品について思ったところをさらっと書いてみようと思います。


 なんともけだるいモノクロのロードムービー(白黒なのはもちろん演出です)。監督は「ベルリン 天使の詩」等で知られるヴィム・ヴェンダース。ふとしたはずみで一緒に旅をすることになった作家の男と片親の少女が、あるものを探して、アメリカ−オランダ−西ドイツの各都市を巡っていく姿を描いた作品です。いかにも「ぼんやりとした不安」*3にかられているような主人公の性格設定は好みが分かれそうですが、僕はあんまり好きじゃないですね。それでも二時間つき合っていると多少は共感らしき物もわいてくるから不思議です。アリス(女の子の名です)については特に書くことなし。


 これまたロードムービーです。こちらは幼い二人の姉弟ギリシアから顔も知らぬ父に会うために一路ドイツを目指すというお話。こう書くと「母を訪ねて三千里」的な心温まるお話かと思われてしまいそうですがさにあらず。オーソドックスな感動系劇映画を期待していると、次々と登場するシュールレアリスティック(?)なシーンに困惑させられること間違いなし。道中の風景は寒々として、登場する人々の表情は(一人の青年を例外として)一様に重苦しく、なんともさびしい雰囲気が全編から漂ってきます*4。生きることのさびしさを伝える映画だったのかぁ? 美しすぎるラストシーン、直前のシーンのことを考えると、やっぱりそういうことなんだろうか?

*1:ちなみにテオ・アンゲロプロスの名は今回初めて知りました

*2:後日、詳細な感想を上げるやも知れませぬ。

*3:(C)芥川龍之介

*4:挙句の果てに、お姉ちゃんは○○○されちゃうし。