たいやき合同誌「麻布二十四景同人戯」が刊行されます
(表紙イラスト:ゆいれそ さん)
以前よりの告知のとおり、コミックマーケット79にて『大正野球娘。』の合同誌『麻布二十四景同人戯』が刊行されます。頒布サークルは以下の二ヶ所。
- 1日目(12月29日)東P-45a「悶N@Sigma」 (サークル代表:湖山信太郎)
- 2日目(12月30日)西す-32a「雌伏の日々」(※僕のサークルです)
参加者総数24人。B5版、オフセット印刷で本文148ページ、頒布価格は700円という剛毅な一冊。僕も「日米女子野球小史1845-1925」という歴史記事で参加しています。当日会場にこられない方の為に、通販も予定しておりますので、以下のサイトでの続報をお待ちください。いやはや、本当にすごい本になりました。
「大正野球娘。同人誌プロジェクト」
細野晴臣「銀河鉄道の夜」
- アーティスト: 細野晴臣
- 出版社/メーカー: テイチクエンタテインメント
- 発売日: 1996/02/21
- メディア: CD
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映画を観たのはずいぶん昔のことなので、前後のシーンはあまりよく思い出せないのですが、主人公のジョバンニと親友のカンパネルラの別離のシーンが印象に残っています。そのシーンで流れていたのが、このCDのトラック16に収録されている「Temo de la Adiauo」という曲。僕の筆では、この曲の素晴らしさを上手く伝えることができないのが残念ですが、かけがえのないものが自分から遠ざかっていく哀しみ、やるせなさみたいなものが、じんわりと伝わってくる名曲です。この曲を聴いていると、田中真弓が演じたジョバンニの「カンパネルラァ!」という悲痛な叫びが耳朶の奥によみがえってくるようです。
友達は大切にしないといけないね。
「修羅の門異伝・ふでかげ」連載開始
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2010/11/06
- メディア: 雑誌
- クリック: 88回
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さて、かつて無印「修羅の門」に、主人公陸奥九十九を苦しめた神武館空手南米チャンピオンのイグナシオ・ダ・シルバというキャラクターがいました。彼はもともとサッカーをやっており、そこから空手に転向したという設定のキャラでしたが、本作では念願かなって(?)サッカー・ブラジル代表のピンチヒッター選手*1として登場します。冒頭から、国立競技場での日本代表との親善試合で、いきなりハットトリックを決めちゃうイグナシオですが、彼は試合後のインタビューで意味深な言葉を残します。日本サッカー界の救世主となるような天才が、近々ブラジルから帰国すると。どうやらそれが、本作の主人公「拳将」君のことようです*2。典型的な「陸奥顔」のキャラだったので、てっきり圓明流の縁者か何かかと思っていましたが、さにあらず。イグナシオの空手の師匠である徳光さんの甥っ子だそうです*3。そんな拳将が、ブラジルから帰国して降り立った街は広島県三原市。これまた典型的な川原ヒロインの流れをくむ広島弁の幼馴染「後藤さつか」に迎えられ、二人は今は亡きさつかの父が眠る筆影山*4に向かいます。思い出の山頂で、さつかの父に思いを馳せる二人。空手家の息子である拳将に、サッカーの楽しさを教えたのが幼馴染のさつかの父だったのでした。サッカーを続けるのなら、そのままブラジルにいた方が良かったんじゃないかと問いかけるさつかに、拳将は答えます。
「約束したから‥さつかと 国立行くって」
いいですね。実にベタかつ王道で、嬉しくなってきちゃいますよ。「天才」拳将はいったいどんなプレーを見せてくれるのか。隔月連載というのが残念ですが、本家「修羅の門」ともども期待していきたいと思います。
早稲田松竹「追悼 今敏」
去る11月1日、高田馬場まで今敏作品の追悼上映会に行ってきました。会場となったのは「早稲田松竹」、僕がオールナイトでよく行く池袋の「新文芸坐」と同様、低料金で古い映画を流すいわゆる名画座と呼ばれるタイプの映画館です。通常は1300円で二本立てらしいのですが、今回の上映作品はいずれも90分のためか、なんと三本立てでした。毎月1日は映画の日ということもあり、早稲田松竹の場合800円(!)で映画が観られます。そのためか、平日にも関わらず大盛況で、1時45分からの回の東京ゴッドファーザーズに間に合うように出かけたのですが、1時半過ぎに現地についた頃には立ち見も含めて既に満席状態。入場できたのは3時25分の「パプリカ」の回からでした。続けて「千年女優」、「東京ゴッドファーザーズ」もじっくり堪能。この手の上映会にしては珍しく女性の姿が目立ちましたね。
いずれも映画館で観るのははじめての作品です。特に大好きな「千年女優」は念願かなっての劇場視聴。柄にもなく涙ぐんでしまいましたよ。やはり、本作のヒロイン千代子は魅力的ですね。一部で、彼女の最期の台詞に引っ掛かるものを感じるという方もおられるようですが、僕は千代子信者なのでまったく問題なし、全肯定です。続いて観た東京ゴッドも実に良かった。これが二回目の視聴でしたが、こんなに笑えるいい映画だったなんて。僕だけでなく、上映中は客席のあちらこちらから笑い声がもれていました。この種の一体感、いいですよね。……それにしても、一番新しいはずの「パプリカ」のフィルムが一番状態悪いというのは、一体どういうわけだったんだろう*1?
*1:わざわざ、会場内で上映前にアナウンスがあったくらいです。実際、一番悪かった気がします。
[大正野球娘。]冬コミに当選しました
表題どおりコミックマーケット79にサークル参加します。
2日目・12/30(木)西す-32 a 「雌伏の日々」
参加ジャンルはもちろん小説FC「大正野球娘。」。夏に出せなかった『大正物価手帖。』、今度こそ出したいと思います。(既刊も多少は刷っていくつもりです)それと今回は、僕も参加している
「大正野球娘。同人誌プロジェクト」
のアンソロジー合同誌(タイトル未定)を委託という形で頒布することになってます。参加人数は20名以上、100ページオーバーという大作です! こちらも是非にどうぞ!
機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-
遅ればせながら観てまいりました。まず結論から述べさせてもらうと、とても面白かったです。ビックリするくらい、文句のつけようがない作品。一部では「これはガンダムでやる話なのか?」との声もあるようですが、そんなのは15年前に済ませた議論です。今更、問題にする気には(少なくとも僕は)なれません。それくらい、SF映画としては真っ当な展開、というか、ガンダムというロボットアニメをうまくファーストコンタクト物のSFに落とし込んだものだな、感心してしまう映画でした。ガンダムという存在を象徴的に捉えなおし、ガンダムで「沈黙の艦隊」をやった1期TVシリーズ。統一政権の下で弾圧者と抵抗者の相克という、いつものガンダムと同じようなことした2期、それぞれに見所があり、同時の不平や不満もある内容でしたけど、それら全てがこの完結編へ至るための壮大な前振りであったと思えば、意外なくらい納得してしまう自分がいるのです。確かに、1期の頃から「来たるべき対話」なるキーワードが本編中に散見されており、異星人(あるいは異星体)の存在は匂わされていましたが、まさかアニメ本編の枠内で第一種接近遭遇するところまでちゃんと映像化することになるとは、予想外でありました。
今回の敵役(という表現は的確ではないんですが、まあ便宜上そう呼びます)である異星体ELSの設定は、クラークのSF小説にでてきそうな感じであり、そんなに目新しいものではありませんが、寄生獣(パラサイト)かT-1000ターミネーターよろしく自在に姿を変えては手当たり次第に人工物と同化し、あまつさえ人類さえ呑み込まんとして迫ってくる姿は、映像で見せられると相当にインパクトがあります。対する人類、一丸となって脅威に立ち向かわんとする姿はさながら「妖星ゴラス」あたりのパニックSFのようでもあり、川井憲次のBGMが流れる中を政府の放送を不安そうに見つめる市民の姿を映したカットは「パトレイバー2」を髣髴させます。連邦宇宙軍の艦隊が迎撃すべく配置につくシーンでは嫌が応にも胸の高鳴りは最高潮に。僕の脳内では「怪獣大戦争マーチ」(http://www.youtube.com/watch?v=lvdb6zTLNik)が流れていました。
それだけでも相当に盛り上がってるわけですが、ダメ押しとばかりに、TVシリーズで敵味方に分かれて刃を交えたライバルたちが、主人公たちと共同戦線を張っちゃう。胸が熱くなるじゃないですか。そして地上では、彼らの送り出した人たちが、そして彼の戦いを見守る人々がいる。正直、TVシリーズ(特に2期)ではあんまり上手く機能しているようには見えなかったグランドホテル方式が、この映画ではかなり上手くいっているように感じられます。(まあ、話の構図が単純化してるからなんでしょうけど。)そしてなにより、これだけ盛りだくさんな内容で、内容が破綻を来たしてないんだから、すごいわけです。上記のように、ちゃんと初志貫徹してる。シリーズ開幕当初に掲げたお題目を、愚直なくらい真っ当にラストシーンに結実させてみせている。立派なものです。スタッフの皆さんには素直に賛辞を送りたい。いやはや脱帽です。
北北西に進路を取れ
- 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
- 発売日: 2010/07/14
- メディア: Blu-ray
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さて「北北西に進路を取れ」です。今日の観客の目からすると少々ご都合展開に見える部分も多いですが、映画が製作された時代を考えれば、それをあげつらうのも少々酷というもの。文字通りアメリカ中を又にかけて撮影した映画のスケールの大きさ、長距離列車やホテルの個室という密室で交わされるロマンスあるいは駆け引き・騙し合い、有名なトウモロコシ畑での複葉機の追いかけっこ、ラストのマウントラシュモアでの格闘シーンなど、いかにもヒッチコックらしい多種多様なシチュエーションを素直に楽しむのが正解でしょう。しかし、136分という尺はどうにも長すぎる気がするのも確かです。過去に観た「バルカン超特急」や「三十九夜」(いずれもイギリス時代の白黒作品)は大体100分弱の話で、最後までスピーディに物語が展開したので、あまり細かなツッコミを入れる気にもならなかったのですが。「バルカン超特急」での列車内ミステリー、「三十九夜」の逃走劇というように、それぞれの一発ネタだと気にならなかった部分が、いろんなシチュエーションを一度にぶち込んだ「北北西に進路を取れ」では食い合わせの悪さのような形で浮かび上がってしまった気がするのです。
あるいはカラー作品だから、現代のサスペンス映画を観るのと同じ目線でこの作品を観てしまったのかも知れません。モノクロの作品だと、否が応でも、現実の世界とは切り離して作品を観ることができますから。